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今から25年ほど前のことですが、千葉市稲毛区にある現在のQST病院の重粒子線がん治療装置HIMACの主加速器・重イオンシンクロトロンの建設に当たり、配線の数が3本の「対称3線方式」の電気回路と電源を製作したところ、電磁ノイズの大きさが、従来の配線の数が2本の電気回路と比較して、千分の一にまで小さくなりました。その結果、故障がなく、安定で、再現性の高い運転が実現され、不安のないがん治療が実現されるようになりました。その後、国内では十台を超える粒子線・重粒子線のがん治療装置が建設され、最近では、国外にも輸出・販売されるようになりました。このように、安心してシンクロトロンをつくれるようになり、安定して運転できるようになったのは、ひとえに、配線の数が3本の電気回路と電源に負っています。
ところで、配線の数を3本にして電磁ノイズを減らす技術は、世界的に例がなく、また、当然、数理学的な電気回路理論が必要です。あの時から25年が経ちましたが、最近、新しい概念として、電気回路の「対称性と対称性の破れ」を思い付きました。なお、数年前に、南部陽一郎、小林誠、益川敏英の3氏がノーベル物理学賞を受賞されましたが、その授賞理由は「対称性の破れ」の発見でした。電気回路でも同様のことが起きていたことになります。これから教えられることは、広く普及している配線の数が2本の電気回路および電気回路理論には不十分な点があります。
このホームページでは、電気回路の「対称性と対称性の破れ」と言う新しい概念の全体像を示そうと思います。